お客様の中でどなたかお医者様ごっこのお医者様はいらっしゃいませんか?

ユルめのやつ(タイトルは不定期に変わります)

愛しさと切なさと心強さと俺とお前と大五郎

小兵力士は己の重さを含めた絶対的なパワーが足りない事を認識してるからこそ、回転の良い突っ張りや立合いでの変化などの敏捷性を活かし相撲を工夫する。一方、横綱相撲と言う言葉がある。これは相手の全てを受け切り、そして相手を寄り切って土俵の外に出す事を言うと認識してる。


本当の強さは何か?みたいな思考を巡らすとボクはいつもこの小兵力士と横綱の相撲の違いを思い描く。身体の軽い、パワーの無い力士ほど良く動いて立ち回るしかないみたいな状況はボクらの日常でも良く見かける。


言葉の鋭い批判、相手を落とし込む為にたたみかける言葉、賞賛を積極的に自ら求める性格を持つような人がいたとする。そのエゴイズムは周りの人間を暗い気持ちにさせたり、白けさせてしまう。そういう人は今この時にさえ勝てば良いと思って振舞ってしまう。それはおそらく無意識的に自らの弱さを自覚しているからだとボクは推測する。社会的地位・立場に左右されずそのような振る舞いをする人は少なからず一定数存在する。特にそのような人が会社の経営層やマネジメント職などに就いていると下の者には厄介であろう。


本当の強さとは、己の弱さと向き合う事から初めて手に入る類のものだ。弱さを知り日々鍛錬する事。そして相手にも弱いところがあり、それに思慮を巡らすこと。相手の思いは、その後どうするかは別として受け入れる事。そしてボクらの社会ではもしかしたら、全部受け切ったその後に寄り切る事は必要ではないかもしれない。今勝つ事は本当に勝つ事になるのか?それは明日も明後日もずっと勝ち続ける必要が出てこないか?それは5年後にも勝つと言う意味合いと等しいのか?相手は勝たなくて良いのか?そういう問いかけを己にしてみたら、もしかしたら今は寄り切らなくて良いかもしれない。ボクはそれもまた本当の強さなんじゃないかと考えてる。